ボーカルテクニック
ボイストレーニングで整えた声で、あなた自身をおもいきり表現する時 , 強い味方 となってくれるのが、 「ボーカルテクニック」です。
ほんの少しのコツを覚えて練習を続ければ、それは「ワザ」になります。
りっぱな 「技術」です。
例えば「大好きな曲なんだけど、ある部分がうまく歌えない 」とか、 「バックの音とズレてしまう」 というような事はありませんか?
それは、その部分の曲の「構成」が正確に理解できていないからです。
実は、1曲のなかには、変化や特徴づけるためにいろいろな工夫をこらし、この 「構成」を組んでいるのです。 いわゆる「ワザ(技)」を使っているわけです。
その「ワザ」も、きちんと分析して理解できれば、今まで何回やってもわからなかった所もクリアーできます。「ワザ」が、はっきりとしたパターンとして見えるからです。あとは、それに「慣れる」ことだけです。
この「ワザ」にしても、いわゆる音楽の3大要素、「メロディー」「リズム」「ハーモニー」の組み合わせで成り立っているだけです。たった3つの要素だけですが、それぞれが奥深いものです。「メロディー」ひとつ例にとってみてもそれはわかります。
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、とは、大体の人が歌えます。小さい時から何回 も練習しましたね。 では今度は、ド、#ド、レ、#レ、ミ、ファ、#ファ、ソ、と、やはり8つの音(半音階のインターバル=音から音への幅=音程)を歌ってみて下さい。
さて、どうでしたか? すぐに出来なかった人も多いのではないでしょうか?
「慣れ」がないものは、すぐには出来ないのが当然です。 しかしこれも、ギターやピアノなど楽器で音を確かめながら練習すれば出来るようになります。
ラジオのチャンネルを合わせる時に周波数をきちんと合わせないと雑音が入りとても聴きにくいのと同じで、歌や楽器もこの音程がずれていると聴く人には気持ち良くありません。この音の高さを「ピッチ」と言います。
まずは正確な「ピッチ」感を養いましょう。
ある一つの音に対して別の高さの音を加えると、互いの音どうしが共鳴して独特の響きをを作ります。その音の組み合わせ方で調和がとれて響くものを「ハーモニー」と言います。
明るく響く組み合わせもあれば、悲しげに響く組み合わせ、甘い響き、危険な感じの響きなど様々な感じをかもし出す「ハーモニー、=組み合わせ方」があります。
このいろいろなハーモニーを覚える事で「音感」つまり音を感じ取る力、が格段と良くなります。音感が良くなれば「音に反応する感情」の幅も広がります。
また、曲の『調性』(一定の規則に基づいた音の配列)や『コード感』=『ハーモニー感』を 理解すれば、更に自由に唄える様になり、本来のメロディーを自分のセンスで自在に変えて唄う、いわゆる『フェイク』をかける事も出来るようになります。
「フェイク」へ
更に、おそらく最も重要となる『リズム』を把握する事で、同じ1曲を全く雰囲気の違う曲として唄う事も出来て、感情の表現力が幅広く、豊かになります。身体に直に伝わって来る独特の『ノリ』=『グルーヴ』が出せる様になれば、いつまでも唄い続けたくなるでしょう!
このリズムに関しては、別ページに詳しく説明していますので、下の「リズムの重要さ」または左上メニューの「リズムトレーニング」でご覧下さい。
音楽の持つ物理的な要素は、頭で理解できます。しかし、理解しただけでは、身体 は、声は、すぐには反応してくれません。 他のいろいろな事と同じように、結局は「身体に覚えさせる」しかありません。それには適切なトレーニング方法を覚えたほうが、手探りで時間をかけるよりは、はるかに効率的です。
理屈でおぼえた「ワザ」も、「慣れる」ことで、「ワザ」と意識せず自然と使えるようになるのです。その時は、あなたの表現力に格段の違いができているでしょう。
『ヴィブラート=音のゆらぎ』、『ウィスパリング=囁き』、『ソブ=泣き』時には、『シャウト=叫び』などのテクニックも感情のおもむくままに自然に使えるようになります。
「慣れる」時には当然「耳が良くなる」という状態になっています。ここで言う 「耳が良くなる」という意味は「感じられる音の範囲が広がる」と同じです。 つまり、音楽に対する「感受性 = エモーション」も高くなっているという事です。 このことは、歌は勿論、音楽をする人全てにとって最も重要な事です。
この、ちょっとした「コツ」を覚えて、もっと音楽を楽しみましょう。少し乱暴な言い方かもしれませんが、「ノッテしまえば、こっちのもの!」 です。
でも「ノル」には「ノリ方」がちゃんとあるのです。